《消えた鉄道今昔》旧国鉄足尾線 神土―沢入 ダム湖に沈んだ線路
上毛新聞
2016年7月22日
ㅤ旧勢多郡東村(現みどり市)にあった旧国鉄足尾線の神土(現神戸)―沢入間の7キロは1973年、草木ダム建設に伴い廃止され、新線に切り替えられた。この区間にあった草木駅を含めて、線路の大半がダム湖に沈んだ。
ㅤ同村誌などによると、新線は沢入駅手前の水没地を橋で横断するほかは、ほとんどが草木トンネル(5・2キロ)で結ばれた。難工事の末に開通したトンネルで、同線では最長のものだ。
ㅤわたらせ渓谷鉄道市民協議会員の関口立美さん(67)=桐生市=は、重連の蒸気機関車「C12」にけん引される貨物列車が鉄橋を渡るところを撮影した。「線路はこの橋で渡良瀬川を渡り、川の左岸に沿って北上していた」と振り返る。
ㅤ写真の鉄橋の場所には草木ダム堤が造られた。川幅が狭くて深い渓谷は大きく様変わりし、当時の情景は全く想像できない。
ㅤ廃線跡は神戸駅東方にある琴平トンネルからダム堤近くまで、渡良瀬川に沿って遊歩道として整備された。
写真説明:鉄橋を渡る貨物列車(1970年、関口立美さん撮影)があった場所に、草木ダムが造られた
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