市境越え合同夏祭り 17日に土浦・神立かすみがうら・稲吉
土浦市神立地区と、隣接するかすみがうら市稲吉(旧逆西(さかさい))地区。それぞれの地区で同じ日に開かれてきた夏祭りだが、十数年ぶりに行政の垣根を越えて合同で行われることになった。JR神立駅西口の仮設駅前広場で17日、両地区のみこしや山車が相対し、勇姿を披露する。
両地区の関係者によると、かつては神立駅前広場で開かれていた土浦市側の夏祭りに、かすみがうら市側のみこしが乗り込むこともあった。しかし後に、かすみがうら市側の神社が夏祭りの「越境」を認めないとしたため、一緒に開催することができなくなった。
ところが今年、神立駅前再開発事業に伴い、同広場が一時的に両市の境界線上へ移動。「このチャンスを活用し競演を実現しよう」と、土浦市側の神立夏祭り実行委と、かすみがうら市側の逆西夏祭り実行委が共に手を携えた。
当日は午後6時すぎから神立駅西口前の道路を一時通行止めにし、土浦市側の山車3台、かすみがうら市側も山車など3台の計6台が広場に入る。準備が整ったところで両市のみこしが登場し、会場の手拍子で迎え入れる。
同7時すぎから山車による競演が開始。土浦市側、かすみがうら市側の順で行い、最後にみこしを加えた両市同時競演で、最高潮を迎える段取りとなっている。
本番を前にした8日、両市の実行委メンバーによる打ち合わせが土浦市の神立地区コミュニティセンターで行われた。和気あいあいとした雰囲気の中、合同夏祭りを成功させるために最終的な調整を済ませた。
かすみがうら市側の実行委員長、大図英明さん(50)は「土浦側とはいつか一緒にやりたいと思っていた。広場は仮設で3年間限定と聞いている。合同も“伝説”になってしまうかもしれないが、記憶に残る祭りとして盛り上げたい」と意欲を示す。
土浦市側の実行委員長、入江正樹さん(43)も「再開発がなければ合同ではできなかった。協力してくれた逆西の人たちに感謝したい。3年後の次をどうするか、今から考えていきたいと思うが、まずはこの合同夏祭りをきっかけに両地区の交流が深まれば」と期待を込めた。
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