「けんぽく座」描こう「県北芸術祭」プレ企画 8月、人工衛星から撮影
県北6市町を巨大な「キャンバス」に見立て、人工衛星を利用して各市町の六つの星を結ぶ星座「いばらきけんぽく座」を描くアートプロジェクトが11日、始動した。「星」となる電波反射器を各市町に1カ所ずつ配置し、8月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「だいち2号」から撮影する。今秋開かれる「茨城県北芸術祭」のプレ企画で、スタートの同日は常陸大宮市高部の旧美和中で住民ら約70人が参加し、電波反射器を作るワークショップが行われた。
同プロジェクトは、金沢美術工芸大が同機構と共同で取り組む「だいちの星座プロジェクト」の一環で、同芸術祭の一般公募で採用された。これまでにも鹿児島県種子島やつくば市、守谷市などで実施され、今回は撮影範囲が約50キロ四方と最大規模となる。
地上の星座は、上空約630キロの軌道を回るだいち2号から電波を放射して撮影。画像解析により、電波反射器の部分を星のように白く浮き上がらせる。
「星」を配置するのは、旧美和中のほか、旧上岡小(大子町)▽白羽スポーツ広場(常陸太田市)▽雨情の里スポーツ広場(北茨城市)▽さくら宇宙公園(高萩市)▽茨城大日立キャンパス(日立市)。グラウンドなどに電波反射器を各10個程度並べ、8月11日に撮影する。同芸術祭会期中には、完成した星座とともに電波反射器を作品として展示する。
この日は住民らが茨城大の学生とともに約90センチ四方のパイプの枠に金網を張って電波反射器を作製。親子参加の常陸大宮市小田野、小船修さん(44)と慶子さん(8)は「星の形になるのが楽しみ」と笑顔で話した。
金沢美術工芸大の鈴木浩之准教授は「これだけの規模は未知の世界。アートとサイエンスを融合させ、きれいな星座を描き出したい」と意気込んだ。
ワークショップは12日にも茨城大日立キャンパスで行われる。
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