《北毛発 温泉百景》伊香保 外国人誘客を模索 地域資源と交通の便

上毛新聞
2016年2月13日

春節(旧正月)を迎え、訪日客増加が話題になっている。昨年は前年からおよそ5割増、年間2千万人に迫る外国人が日本を訪れ、大きな経済効果を生み出した。県内温泉地でも、この大きな波を取り込もうと模索が続いている。
情緒豊かな石段街で知られる伊香保温泉(渋川市)。最大級の収容人数を誇るホテル天坊のフロントでは、中国出身の張理恵さん(47)がテキパキと業務をこなす。来日20年余りのベテランで、海外誘客が注目されてきた8年前、スカウトされこの仕事に就いた。
到着したツアー客を迎えるほか、部屋への案内、入浴マナーの伝授、周辺観光のポイント解説など、ニーズに合わせて何でも対応する。「お湯はもちろん、礼儀正しさや清潔なところなど、日本の良さを多くの人に知ってもらいたい」と力を込める。
成長市場獲得に向けた地域間競争は激しさを増している。張さんは、都市部に住む外国人には、きれいに整えられた日本の農業現場も新鮮に映ると教えてくれた。定番の買い物と、農業体験など地域資源をいかに組み合わせるかが重要とみる。
都内では急増する外国人客にホテル不足が深刻化、料金高騰も指摘されている。北村貴治営業本部長(43)は「伊香保は交通の便がいい。温泉地に泊まることも選択肢に入れてもらうような取り組みが大切」とさらなる誘客に意欲を示す。
渋川伊香保温泉観光協会によると、伊香保温泉の昨年の外国人宿泊客数は、前年比22%増の7728人だったが、全体に占める割合は、わずか0・7%。ただ逆に言えば大きな成長の余地を持っているとも言える。
中国、台湾に加え、タイなど東南アジアからの観光客にも注目が集まる。少子化で国内市場の伸び悩みが見込まれる中、伝統ある湯けむりの里の“国際化”は、今後のにぎわい創出の大きな鍵となっている。

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