《まち歩き・里歩き》スタート 高崎市金古運動広場(高崎市金古町) 養蚕の歴史刻む地  

上毛新聞
2016年2月10日

年明けまでの暖冬から一転、冬らしい冷え込みが続いている。高崎市金古運動広場(同市金古町)を出発し、地域の歴史に触れながらゆっくりと歩いた。
運動広場のメーンゲート脇にある管理事務所で、野球帽をかぶったキャラクターが迎えてくれた。2013年に誕生した「かねタン」だ。金古が養蚕の盛んな地域だったことから、繭をモチーフに デザインされている。着ぐるみのかねタンは 各種イベントにも参加しており、子どもたちの人気者になっているという。
この広場は軟式野球場や少年野球場、レクリエーション広場などが 整備されているほか、380~810メートルの四つのウオーキング・ジョギングコースも設定されている。コースを組み合わせたり、周回を重ねたりすることで自分に合った距離が選べる。車道を通らないので 安心して散歩やトレーニングができると、多くの地域住民が利用している。
運動広場の西口出入り口から見えた県立日本絹の里のモニュメントの所へ行ってみた。絹の里は、蚕糸業振興の拠点として1998年にオープン。県内の絹産業の歴史を学べる展示だけでなく、絹に関する特別展や企画展も開いている。
桃山稲荷神社に立ち寄った。戦国時代に長野氏が築いた箕輪城内にあったが、武田信玄に攻められて落城した後に現在の場所へ遷座したという歴史のある神社は、ひっそりとした中で厳かな雰囲気を醸し出している。
節分祭の準備に来ていた世話人の今城泉平さん(87)=写真=は「節分の豆まきのほか、5月3日の八十八夜例大祭では太々神楽を奉納するなど、地元の人の交流の場になっている」と地域に根差した神社の魅力を教えてくれた。
近くを流れる牛池川沿いの日陰部分には、1月に降った雪がまだたくさん残っていた。川沿いを歩き金古諏訪児童公園へ。園内の藤棚の下で、今年のえとでもあるサルの顔が描かれた遊具を見つけた。この日は遊具で遊ぶ子どもはなかったが、静かな時間が流れていた。
道を挟んである金古諏訪神社にも行った。1931年に完成した社殿は、その古さが趣を感じさせる。春に豊作や家内安全を祈る祈念祭、秋は収穫を感謝する例祭を行っている。江戸時代から伝わる太々神楽は、市の重要無形民俗文化財に指定されている。次回は、境内の神楽殿で奉納されるその伝統芸能を見に訪れたい。

≪コースの特徴≫
高低差の少ない1.7キロ。道幅の狭い場所もあり、車の通行時などは注意を。

【寄り道したら】「ラーメンすわ」 財布に優しいランチ
「ラーメンすわ」(高崎市金古町)は、1964(昭和39)年に 店主の山本邦彦さん(75)が開業した。地元産や 国産にこだわった食材を使い、妻の 綾子さん(71)と2人で切り盛りする。
平日のランチタイムは、財布に優しい596(ごくろ)うさんセット(596円)=写真=が人気だ。ボリュームたっぷりのチャーハンセットやカレーセット、野菜炒めセットなど6種類から選べるのもうれしい。
邦彦さんは「このセットは、お客さんへの感謝の気持ちを込めている。消費税が上がっても値上げはできない」と話す。
午前11時~午後2時、同5~8時。水曜定休。問い合わせは同店(☎027・373・3785)へ。

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