環境学習の拠点に 野鳥観察や水質検査 ラムサール条約登録の涸沼

茨城新聞
2016年2月8日

 重要な湿地の保全を目指すラムサール条約に登録された「涸沼」の、貴重な自然を学ぶ機会づくりが徐々に動きだしている。シジミ漁が繰り広げられる生活の場のほか、「環境学習の場」として光を当てようという試み。県霞ケ浦環境科学センターやボランティアたちが取り組む観察会をのぞいてみた。
 霞ケ浦を中心に、県内の水辺での環境学習を推進している県霞ケ浦環境科学センター(土浦市沖宿町)。涸沼のラムサール条約登録を機に、市民が中心となった環境団体・クリーンアップひぬまネットワークとの共催で、涸沼を舞台にした環境学習を展開している。
 昨年12月には、涸沼に近い鉾田市立旭北小、茨城町立長岡二小、同広浦小の児童を対象に、野鳥の観察と水質検査の2本立てで実施した。児童一人一人に双眼鏡を配布。日本野鳥の会茨城県の会員が講師役を務め、剥製を見せながら特徴を解説、水辺や木々の間の鳥の姿を追った。
 水辺を見ていると、湖上のくいに止まっているタカの仲間の鳥・ミサゴが望遠鏡で捉えられる。ユリカモメやカワウが飛んでいく。マガモをはじめ、湖上にはカモ類が遊ぶ。
 観察しながら、鳥の生態に関する話題がポンポン飛び出す。「鳥の雌が地味なのは、子育てをする時に、敵に狙われないよう目立たないためなんだ」「シジミが減ると、スズガモやキンクロハジロの飛来数が減少する。鳥の増減は、環境の変化を見る指標になる」などと、野鳥観察の意義を語った。
 霞ケ浦環境科学センターの環境学習は、冬鳥が訪れている3月10日まで、小学4年生~高校生や市民団体などの一般を対象に行う。
 そのほか、子ども向けの野鳥観察会として茨城町は本年度4回、涸沼環境学習会を同町中石崎の涸沼自然公園周辺で開いている。
 また、連続の野鳥観察会を開いているのが、涸沼ラムサール条約推進協議会(事務局・県環境政策課)。昨年11月から毎月1回ペースで、鉾田市箕輪のいこいの村涸沼に午前9時集合し、約2時間にわたって観察しており、2月14日にも予定している。
 さらに、2月21日午前9時、集合場所を茨城町の網掛公園に変えて、オホーツク海からの〝珍客〟オオワシを観察する予定だ。
 1羽のオオワシが北海道に流氷が接岸するころ、涸沼に飛来する。白と黒のコントラストが美しい絶滅危惧種を見ようと、沿岸には多くの愛鳥家、写真家が詰め掛ける。

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