高台広場 観光拠点に 漫画ギャラリーやカフェ

上毛新聞
2021年6月24日

 高台広場の敷地面積は約1400平方メートル。棚田をイメージした芝生広場が整備されたのをはじめ、カフェ「月の貌(かお)」と漫画ギャラリー「漫画堂」が隣接している。月の貌は建築面積約50平方メートルの木造平屋建て。大きな出入り口が特徴で、開放的な空間でゆったりとした時間を過ごすことができる。

 漫画堂は建築面積約100平方メートルの木造2階建て。ちばてつやさんや故・赤塚不二夫さんら草津温泉にゆかりのある作家や県内出身の漫画家の作品をはじめ、近年の人気作品などがずらりと並ぶ。漫画は、月の貌や芝生広場でも楽しことができる。

 地蔵地区の整備については、草津温泉街の表の顔である湯畑に対し「裏草津」と位置付けて、2018年度から町が整備を進めてきた。高台広場のほか、共同浴場「地蔵の湯」前で足湯をリニューアルしたほか、手洗い湯や温泉の蒸気で顔を潤す「顔湯」を新たに設けた。

 黒岩信忠町長は「『裏草津』という名前の通り、人波であふれる湯畑に対して、観光客がのんびりと過ごせる場所にしていきたい」と話した。

 月の貌と漫画堂は、指定管理者が決まっていないことから、正式オープンは7月以降となる見通しだが、芝生広場や地蔵の湯前の顔湯などは自由に利用できる。芝生広場では毎日、日没から午前0時までライトアップを実施する。

 同日は竣工式に合わせ、絵や文字を書いた石灰石を温泉に漬けて浮き彫りのような作品に仕上げる「百年石」の体験施設「百年石別邸」の地鎮祭も開かれた。百年石別邸も地蔵地区の再整備事業の一環。地蔵の湯近くに建設予定で、10月の完成を目指す。(桜井俊大)