幕末志士らの遺品に思い 高杉の漢詩や龍馬の手紙 大洗で企画展

茨城新聞
2015年11月20日

幕末に土佐(現在の高知県)藩士として生まれ、明治維新後は宮内大臣などを歴任した田中光顕(1843~1939年)が集めた、幕末志士らの遺品コレクションを展示する企画展「歴史の証人 田中光顕の選んだ勤王家たち」が、大洗町磯浜町の「町幕末と明治の博物館」で開かれている。著名人の書画をはじめ、資料約60点を出品。田中が先人にはせた思いがうかがえる展示となっている。
 田中は95歳の天寿を全うするまで、幕末の志士や維新の立役者を顕彰するため、遺墨類を積極的に集めた。37年には、故人82人に弔いの和歌をささげた「たむけぐさ」を著し、冥福を祈る姿勢を見せている。29年に同館の前身を開館し、コレクションが貴重な近代資料として収蔵された。
 同展は「たむけぐさ」現物ほか、故郷の土佐、水戸、長州藩士の遺品が多く並ぶ。田中が弟子を自称した高杉晋作の漢詩や、坂本龍馬の手紙2点などが注目を集める。
 同館では数年ぶりの展示となる、「桜田門外襲撃図」も見どころの一つだ。田中は桜田門外の変が印象的だったとされ、水戸藩士の著作や水戸学に影響を受けたという。
 同館の尾﨑久美子学芸員は「『たむけぐさ』は、新時代に忘れられた、名も無き人々も多く登場する。幕末の動乱に散っていった人々の冥福を、長生きした自分が祈りたいという田中の思いを感じてほしい」と話している。会期は24日まで。

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