《食いこ》藝大食堂(取手市) ランチで若手芸術家応援

茨城新聞
2019年11月24日

森の中にある自然豊かな東京藝術大学取手キャンパス。福利厚生棟内にある「藝大食堂」は学生や教職員の胃袋を支えるだけでなく、地域にも開かれる学食。「半農半芸」を核に、芸術と市民をつなぐ交流拠点としての顔も持つ。

特定非営利活動法人「取手アートプロジェクト(TAP)」が2017年から運営する。同大と取手市、市民が共同で組織するTAPは1999年から芸術家支援や市民向けの芸術体験の機会提供などの活動を行う。

藝大食堂のランチは利用者で価格設定が変わる。学生560円、教職員660円、一般780円。TAP事務局長の羽原康恵さんは「地域の人に利用してもらった収益は芸術文化の支援に活用している」。ランチを食べることが若い芸術家の応援につながる。

ランチは定食とカレーの2種類を用意。食堂のスタッフは「作れる物は手作りする」精神で、地元産の食材などを上手に利用し、家庭的な味を提供する。どちらも日替わりで、サラダやひじき煮などの副菜を添える。「ランチは唐揚げが人気。副菜は野菜を多めにバランスよく」とスタッフ。カレーはオリジナル配合のスパイスを使う本格派。自家焙煎(ばいせん)コーヒーや自家製シロップのドリンクなどがある。

行方市の農家から届く規格外のサツマ芋はサラダや大学芋、天ぷらなどに大活躍。近所からは自家栽培の野菜やレモン、取手市農業公社婦人部が造ったみそも生かす。羽原さんは「地元産の食材はご縁のある生産者さんたちに支えられている」と感謝する。

食堂は木や布でリメークしたテーブルや椅子、手作りの内装、陶器の食器など居心地の良い空間で、思い思いの時間を過ごすことができる。

秋から「ウィークエンド藝大食堂」が始動した。「農や自然に親しむ環境作り」を目指し、食堂周辺の土地を耕す構想の端緒として、24日にヤギのいる風景を考えるイベントを開く。藝大ならではの機材や資材がそろった工房を利用して、紙からたこを作り大空に揚げるプロジェクトも進行する。

羽原さんは「芸術は分かりにくい、難しいと思われがち。まずは食をきっかけに、足を運んでほしい」と話した。

■お出かけ情報
藝大食堂
▼取手市小文間5000東京藝大取手校内
▼営業時間は月曜~金曜の午前10時~午後6時(ランチは午前11時半~午後2時)
▼定休は土・日・祝日、大学の休校日
▼(電)050(5248)5571

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