水戸城 角櫓復元へ起工式 20年9月完成へ 観光振興に期待

茨城新聞
2018年10月26日

水戸市三の丸に市が復元する水戸城「二の丸角櫓(すみやぐら)」と「土塀」の起工式が25日に現地で開かれ、市や工事関係者ら約30人が工事の安全を祈った。いずれも市の明治維新150年記念事業として来月にも基礎工事に着手し、2020年9月に完成する見通し。水戸城跡周辺の歴史的景観整備により、駅前の観光誘客を目指す。

市歴史文化財課によると、水戸城の角櫓は現在の茨城大付属小の南西側など複数の場所に設けられていたが、明治期から昭和初期にかけて焼失した可能性が高いという。市は写真や絵地図などの資料に基づき、同校敷地内に、高さ9・6メートル、延べ床面積128平方メートルの木造2階建ての角櫓を1棟新設する。

完成後は1階を展示室として活用し、復元の記録映像や発掘調査による出土品などを公開する予定。JR水戸駅北口のペデストリアンデッキから視認できるため、観光振興としても活用していく。また、土塀は高さ2・2メートル、延長473メートルで、19年9月に完成予定の大手門と角櫓を結ぶ計画。

式典では工事の安全を祈り、高橋靖市長らによるくわ入れなどの神事が行われた。高橋市長は「角櫓と土塀が完成すれば、歴史的景観整備がおおむね完了する。観光振興や子どもたちが学ぶ場として、水戸らしさをアピールしていきたい」と話した。

地図を開く 近くのニュース