ライスミルク商品化へ 稲敷市と筑波大 地元の玄米使用

茨城新聞
2015年10月14日

玄米から清涼飲料水「ライスミルク」を作ろうと、稲敷市と筑波大学、都内の一般社団法人「TWマネジメント」、常陽銀行の産官学金の4者がタッグを組み商品化事業を始める。10月から同市の廃校で研究開発し、のどごしがよく栄養豊富な生ライスミルクの2年後の商品化を目指す。協定締結式で、関係者は「地域密着の研究で、稲敷の産業の活性化を図りたい」と意気込みを語った。
 研究開発を行う筑波大によると、今回作るライスミルクはミネラルやビタミンB群の仲間のナイアシンなどが豊富な玄米を原料にする。同市産のみを使う。まだ商品化のない非加熱の「生ライスミルク」で特色を出す。石うすの機能を備えた装置で微細に粉砕し、のどこしのさらさら感を出すことを目指す。
 効能は①血糖値を急激に上昇させない②肥満の抑制③鎮静効果-も期待できるという。
 稲作が主産業の同市は、健康ブームの中、ライスミルクに将来性を感じ、3月から生ライスミルク研究の第一人者で筑波大の北村豊生命環境系教授と情報交換してきた。
 市は、同事業を10月にまとめた市地方創生総合戦略の重点施策と位置付けている。市は本年度、研究開発費として約2700万円を同大に支援。同大生命環境系食品・バイオマス工学研究室は、分室を同市の旧新東小に設ける。TWマネジメントは同小で地場野菜を原料とした加工食品を生産するとともに、ライスミルクの商品化も担う。常陽銀は業者向けの商談会などで販路拡大を図る。
 同市役所で行われた協定締結式には、田口久克稲敷市長、北村教授、栗山等TWマネジメント理事長、宮沢恵常陽銀常務執行役員らが出席。田口市長は「4者協定により新規事業者の育成のほか、稲敷を代表する米の高付加価値化も図られる」と期待を寄せた。同大が試作したライスミルクの試飲会も行われた。

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