《茨城いちばん》メロン 火山灰地が最適

茨城新聞
2018年3月4日

「緑の宝石」と称されるメロンは本県を代表する特産品の一つ。農林水産省の統計によると、2016年の出荷量は3万8900トン、作付面積は1350ヘクタールで、いずれも全国トップだ。

メロンは、国内で古くから栽培されてきたマクワウリなどの東洋系と、欧州で改良を重ねた西洋系に大別される。

両方を交配させて1960年代に誕生したプリンスメロンは当時、爆発的な人気を誇ったが、現在出回っているメロンの多くは網目のある西洋系の「ネットメロン」が中心。県内では、本県オリジナルのイバラキング、定番のアンデス、果肉が赤いクインシー、アールスなどがあり、4月から11月まで楽しめる。

県内の主な産地は、鉾田や鹿嶋、神栖、茨城、八千代の各市町など。中でも鹿行地域は年間を通じて温暖な気候で、昼夜の気温差や水はけの良い火山灰地がメロン栽培に最適な環境とされる。

栽培は苗植えから出荷まで150日前後が必要。農家は品質の良いメロンを作るため、余分な茎や花を取り除き、1本の苗に実らせた2~4個の果実を大切に育てる。

以前は高級な贈答品のイメージが強かったメロンだが、品種改良や栽培技術の進歩によって割安で手に入るようになり、多くの品種が旬を迎える5~6月には、多数の買い物客が農産物直売所などへ詰め掛ける。

近年は加工用としての需要も増え、県産メロンを使ったメロンパンなどがコンビニエンスストアなどで販売されるなど、ブランド力向上の取り組みも進んでいる。 

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