《茨城いちばん》サツマイモ 輸出拡大に意欲

茨城新聞
2018年1月28日

焼き芋や干し芋など世代を超えて人気のあるサツマイモは、本県が誇る特産野菜の一つ。焼酎用やでんぷん原料用を除く生食用では、本県は栽培面積、生産数がともに日本一となっている。近年は、東南アジアや北米などへの輸出拡大に向けた取り組みも意欲的に行われている。

サツマイモは、メキシコ南部原産で1597年に宮古島、1605年に琉球に伝わり、主に九州で栽培されていた。その後、救荒作物として江戸時代の蘭学者、青木昆陽が栽培方法を確立して関東一円へ普及。本県の海岸沿いの那珂、鹿島地域や行方台地では、温暖な気候と火山灰土の水はけの良い平たんな土地に恵まれていたことから栽培が広まった。

主な県内産地は鉾田、行方、ひたちなか、東海、茨城などの各市町村。県が昨年発表した2015年の品目別農業産出額でも本県のサツマイモは243億円で全国1位。県内生産の2割強は干し芋用となる。

霞ケ浦と北浦に挟まれた行方台地で、栽培から貯蔵、販売までこだわる独自の“焼き芋戦略”を展開するのはJAなめがた。3品種の通年リレー出荷や定温貯蔵実現で農家所得も向上。菓子製造会社と協力し、農業体験ができるサツマイモのテーマパーク「なめがたファーマーズヴィレッジ」も開業した。昨年は甘藷(かんしょ)部会連絡会が農林水産祭天皇杯を受賞した。

同JAは数年前からタイ、マレーシアへの輸出を開始。15日には、北米向け輸出を始め、ブランド品種「紅優甘(べにゆうか)」をカナダに初出荷した。

地図を開く 近くのニュース