「黄門神社」知って 光圀らの絵馬制作 水戸で保存会

茨城新聞
2017年7月20日

徳川光圀生誕の地にある水戸黄門神社(水戸市三の丸2丁目)を「もっと知ってもらいたい」として、維持管理を行う義公祠(し)堂(どう)奉賛保存会(会田修会長)が、水戸黄門や助さん、格さんに扮(ふん)した女性キャラクターをデザインした絵馬を千枚作成した。8月5日の黄門まつりから絵馬を奉納する。

会田会長の知人で、同神社近くの美容室「カットバンクコア」の美容師、田村貴之さん(31)が「黄門神社を盛り上げたい」と発案。同僚の美容師、中郡初美さん(22)がデザインした。中郡さんは趣味で子どもの頃からイラストを描いてきた。最近はインターネットのイラスト投稿サイトに作品をアップしている。

黄門さまはわら納豆をモチーフにした杖(つえ)を持ち、格さんが持つ印籠にはウメの花をあしらった。1枚500円。境内に設置した絵馬掛けは会田さんが知人に頼み製作した。

神社は水戸駅北口から徒歩約5分。周辺には複数の予備校や県立水戸一高、水戸三高があり、大勢の生徒たちが行き交う。田村さんは「生徒たちが手を合わせている姿を見ていると、何か形にできないかと考え、絵馬の作成を思い付いた」と話していた。黄門まつりや梅まつりなどのイベント時に配布する計画。予備校には申込用紙を届ける予定。

光圀は1628年、初代藩主頼房の三男として生まれた。頼房は家臣に対し堕胎を命じたが、家臣の三木之次(ゆきつぐ)が自宅で出産させた。4歳まで三木夫妻に育てられ、その後水戸城に移ったとされる。

保存会の資料などによると、1953年に「義公生誕の地」として水戸市史跡に指定された。72年に三木家の子孫である三木啓次郎氏が松下電器の松下幸之介氏を援助していた縁で、松下氏の協賛を得て祠堂が創建された。現在は常磐神社が管理し、同保存会が維持に協力している。

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