結城産米で吟醸酒 老舗酒蔵、限定1000本販売

茨城新聞
2017年1月31日

地産地消による酒づくりを進めようと、結城市結城の老舗酒蔵、武勇は、同市産の酒米で醸造した純米大吟醸酒「結城五百万石」を完成させ、販売を始めた。酒は甘みを残しながらも、すっきりした味わいに仕上がった。試験的な醸造といい、同蔵は「市の活性化につながれば」と期待を込める。

酒米は、同市小森の農業、野村孟さんが栽培した「五百万石」。同蔵が地元産米で醸造するのは初めてという。

同市では2014年6月、宴会で地酒を使った乾杯を推進する「乾杯条例」が市議会の全会一致で可決、施行。今月の同市賀詞交歓会でも地酒による乾杯が行われた。地元商工業者らでつくる「結城の地酒で乾杯条例推進協議会」副会長でもある同蔵の保坂大二郎専務は「地元の米で地元の蔵が酒を造った。結城の特徴を出し、活性化につなげられたら」と話す。

同蔵では、親子を対象に、筑西市内の水田での酒米の田植えや蔵見学、酒の仕込みといった体験会を毎年開いている。完成した酒は子どもたちが成人を迎えた年にプレゼントされるという企画だ。保坂専務は「結城の水田でも体験会を開く準備を今後3~5年の間にやっていきたい」と話す。

結城五百万石は武勇のみで販売中で、1本720ミリリットル、1500円(税込み)。限定千本。来年以降、順次市内の酒類販売店でも買えるようにしたいという。

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