西塩子の回り舞台 常陸大宮3年ぶり、歌舞伎や地芝居

茨城新聞
2016年10月16日

日本最古とされる組み立て式農村歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台」による歌舞伎や地芝居の公演が15日、常陸大宮市塩田地区の大宮公民館塩田分館グラウンドで開かれた。3年ぶりに組み立てられた舞台で繰り広げられる地元の大人や子どもらの演技に、市内外から詰め掛けた大勢の観客から惜しみない拍手が送られた。

公演は、地元の市立大宮北小児童が「とざいとーざい」と高らかに序開き。常磐津「子宝三番叟(さんばそう)、歌舞伎「白波五人男・稲瀬川勢揃いの場」を演じた。大人顔負けの名ぜりふで見えを決めた瞬間、観客からたくさんの“おひねり”が投げ入れられた。

続いて舞台復活20周年を記念して、埼玉県秩父市の秩父歌舞伎がゲスト出演。常陸大宮市内の小中学生による常磐津「将門」、住民らの舞踏劇「鏡岩」と続き、夕闇が迫る中、地元一座・西若座の地芝居「吉例曾我対面・工藤館対面の場」がトリを務めた。

幕間は、市内の日本語教室に通う外国人8人が舟生屋台ばやし、鷲子祭ばやしを披露。「白波五人男」ならぬ「白波八人衆」として、ユーモアたっぷりに自己紹介し、会場の笑いを誘っていた。

栃木県真岡市の白石次男さん(67)は「舞台を復活させたことが素晴らしい。子どもたちの演技も良かった」と感心しきり。鹿嶋市の針尾孝子さん(74)は「こんなに大規模な舞台とは思わなかった。地域が一体となっているのが分かり、壊すのがもったいない」と話した。

会場周辺は色鮮やかなのぼり旗が立ち並び、雲一つない青空の下、多くの観客が詰め掛けた。西塩子回り舞台保存会の大貫孝夫会長は「天気に恵まれ、多くの人に喜んでもらえた」と笑顔だった。

西塩子の回り舞台は、江戸時代後期の舞台道具などが残り、県の有形民俗文化財に指定される。1945年を最後に中断していたが、貴重な文化財と判明し、地区住民全戸による保存会を結成して、97年に復活。以後、ほぼ3年置きに、間口、奥行き各20メートル、アーチ型の屋根の高さ7メートルの壮麗な舞台を組み立てている。 

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