観光客との交流カフェ 笠間で協力隊員ら企画

茨城新聞
2015年9月14日

笠間市笠間の笠間稲荷神社に近い商店街の一角に、観光客と地域住民の交流拠点を目指す空き店舗活用のカフェがオープンする。都市住民が地方に移住してまちづくり活動を実践する「地域おこし協力隊」メンバーで、埼玉県出身の島田奈実さん(26)と、島田さんの友人で水戸市出身の八島怜子さん(37)が企画・運営。現在、住民らの協力で、10月初旬の開店に向け店舗の改装作業を進めている。

島田さんは隊員3年目の最終年度。これまで市内各地の住民と触れ合いながら、市内産の「福来(ふくれ)みかん」の七味唐辛子を開発したり、八島さんと共に笠間の情報誌を発行したりするなど活動を展開してきた。
その中で「観光客が地元の人との交流を楽しめる場所や、気軽に立ち寄れる観光案内所が少ないことに物足りなさを感じた」という。昨年12月ごろ、建物の所有者が有効活用を模索していることを知り、課題解消につなげるカフェを活動の〝集大成〟として企画した。
店舗は観光客が多く訪れる笠間稲荷神社や同神社門前通りに近い行幸(みゆき)町の商店街の一角で、誘客しやすい立地条件。通常のカフェとは異なり、店員が利用者に積極的に話し掛け、交流しやすいにぎやかな雰囲気をつくるほか、観光の案内やPRを買って出るという。
検討中のメニューは極力、市内産の農産物を使い、茶やご飯とけんちん汁の軽食セットなどを予定。現在、保健所に営業許可を申請中だ。また、七味唐辛子をはじめ開発商品の販売、個展やワークショップなどの店内開催にも取り組み、笠間の魅力を発信する。
開店準備は2月にスタート。周辺の商店主や住民、知人の自主的な協力も受け、不要品の運び出しや清掃、天井や壁の塗装、床のワックスがけなど、改装を進めている。島田さんは「いろんな人に助けられ、あらためて笠間の人の温かさを感じている。カフェを通じて地域の役に立ちたい」と笑顔で話した。

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