《消えた鉄道今昔》伊香保軌道伊香保線 渋川駅前-伊香保 高低差500メートルの山岳電車

上毛新聞
2016年7月6日

ㅤ渋川駅前停留所と伊香保間の12・6キロを結んだ東武鉄道伊香保軌道伊香保線は1956年、バスの普及に伴い廃止された。3路線あった同軌道は66年間の歴史に幕を閉じた。
ㅤ東武鉄道百年史によると、伊香保電気軌道として10年に開通し、東武鉄道が27年に買収した。渋川市街地と伊香保間に高低差が約500メートルあり、伊香保街道を沿う直線ルートでは急勾配となるため、街道を避けるようにカーブが87カ所ある線路が敷設された。
ㅤ上るにつれて車窓に眺望が開け、乗客が絵画のような街並みや赤城山を楽しめた山岳電車だった。高校時代に同軌道で通学した渋川市社会福祉協議会の大沢歳男会長(80)の案内で軌道跡を訪ねると、旅館や住宅街の生活道路などとして利用されていた。
ㅤ同市の吉井写真館(吉井信義代表)は市街地を走る路面電車の写真を所蔵している。戦後の復興でにぎわう四ツ角の情景が納められた一枚があった。現在の景観は土地区画整理事業ですっかり変わった。
ㅤ伊香保温泉街の「峠の公園」には、明治から昭和にかけて活躍した車両「デハ27」が展示されている。

写真説明:渋川市の四ツ角付近で撮影された路面電車(1955年頃、吉井写真館所蔵)

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