安心安全、揚げ物三昧 仁屋(那須塩原)

下野新聞
2021年9月3日

 とんかつ、唐揚げ、エビフライ-。子どもの頃の夢がそのままぎっしりと詰め込まれたテークアウトメニューだ。横20センチ、縦15センチの箱の中に入っているのは、鳥もも肉と胸肉の唐揚げ2個ずつ、那須三元豚のとんかつ1枚、エビフライ2本、キャベツの千切り。

 とんかつは自宅に持ち帰ってもサクサク感が残り、豚肉の甘さが染み出す。唐揚げは2種類ともしょうゆ味だが、個性が全く異なる。白ワインや果汁などで一晩漬け込んだ胸肉はフルーティーな味わい。赤ワインやスパイスなどを使い、3回に分けて漬け込んだもも肉は、奥深いジューシーさを楽しめる。

 2年前に開店。「自分の店を持つのは長年の夢だった」と語る高田仁史(たかだひとし)代表(43)の原点となっているのは、父福一(ふくいち)さんの存在だ。福一さんは市内でとんかつ店を長年営んでおり、高田代表も高校生の頃から調理場に立った。高校を卒業して就職した後も実家の店にたびたび戻り、とんかつのいろはを学んだ。「お客さんの笑顔をすぐ近くで見られるので、飲食店で働くのが好きだった」と話す。

 店の売りは安心安全。使用する肉は国産で、油もきれいな状態を維持する。味付けは添加物を控え、素材の味を生かすことを心掛ける。高田代表は「余計なものを入れない安心安全なメニューで、実家に負けないくらい地元に愛される店を目指したい」と笑顔を見せた。

  【メモ】  仁屋盛りは1400円▽那須塩原市睦106の133▽営業時間 午前11時~午後2時、午後4時半~10時(緊急事態宣言中はイートインが午後8時、テークアウトが同9時まで)▽不定休▽(問)0287・53・7544。

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