コロナ収束願い延年舞 日光山輪王寺

下野新聞
2021年5月18日

 日光市山内の世界遺産日光山輪王寺で17日、約1170年前から伝わる秘舞「延年舞(えんねんのまい)」が奉納された。天下泰平などを願い、2人の僧侶が神秘的で優雅な舞を披露した。

 延年舞は848年、唐から帰ってきた慈覚大師円仁(えんにん)が日光へ伝えたとされる。天下泰平や国土安穏などを願い、日光山の諸仏諸神に奉納される神仏習合の行事。毎年、日光東照宮の例大祭に先駆けて行われている。

 この日は午前9時、本堂「三仏堂」の中央に設置された檜(ひのき)舞台で2人の僧侶が順番に舞を披露。舞台後方で僧侶たちが「延年頌(えんねんじゅ)」と呼ばれる声明を唱える中、2人の舞い手は軽やかに跳んだり足を踏みならしたりした。

 昨年に続き、今年も新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、参列者なしで実施。舞い手を務めた安養院の畠山慈朋(はたけやまじほう)住職(43)は「平安時代から脈々と伝わるもので、天下泰平などとともに今年もコロナの早期収束を願って舞った」と話した。

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