震災後の建築探る 水戸芸術館 企画展
東日本大震災後の建築界の動きをテーマにした「3・11以後の建築」展が7日、水戸市五軒町1丁目の水戸芸術館現代美術ギャラリーで開幕した。建築家グループが描く未来の建築の姿について、地域との関わり、環境・エネルギーなど多角的な観点から紹介する。来年1月31日まで。
同展は、石川県の金沢21世紀美術館で昨年11月から今年5月にかけて開催された同展の巡回展。被災地の水戸に特化した展示や、金沢での展示から1年を経て進展した参加建築家のプロジェクトなどを盛り込んだ。伊東豊雄氏や坂(ばん)茂氏ら建築家の作品を紹介する。
金沢21世紀美術館学芸員の鷲田(わしだ)めるろさんは「水戸芸術館で開催できることを光栄に思う。震災後、日本の建築界は急速に変貌している。一方で、復興は特別なことでなく、普段の問題が凝縮された課題だといえる。本展に参加した建築家の試みを通して、問題解決へのヒントを届けたい」と話す。
開幕を控えた6日、内覧会が開かれ、復興支援、環境・エネルギー、地域資源の見直しなどの7テーマで構成された会場が報道陣に公開された。市民参加型のまちづくりと建築との関係を扱った展示では、ゲスト・キュレーターの山崎亮(りょう)さん(東北芸術工科大教授)が、宮崎県のJR延岡駅周辺整備事業を模型を使って分かりやすく紹介した。
関連イベントとして、同館で23日午後3時から、山崎さんと、ゲスト・キュレーターの五十嵐太郎さん(建築評論家)による対談「『3・11以後の建築』のその後」が行われる。
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