安い大きい 青春の味 【味わい百景 わがまちの逸品グルメ】(82)コッペパン コッペパンの店なるさわ(宇都宮)
下野新聞
2020年2月5日
給食でおなじみのコッペパン。素朴で懐かしい味が時々無性に恋しくなる。
店主の成沢富雄(なるさわとみお)さん(63)が「素焼き」と呼ぶコッペパン(税込み112円)は、長さ約20センチでふんわりと軟らかい。「膨らんだ生地を高温、短時間で焼く。油を塗るつや出しもしないんです」。シンプルな製法が小麦本来の香りを引き出している。
味付きコッペ(同147円)は、注文を受けてから切り込みを入れてクリームや具材を挟む。一番人気はあんことマーガリンの組み合わせだ。他の味はいちごとりんごのミックスジャム、ピーナツ、チョコ、カスタード。自家製コロッケや焼きそばを挟んだ総菜パンもあり、昼すぎには売り切れてしまうという。
創業は1954年。約20年前までは主に宇都宮学園高(現文星芸大付属高)の購買部で販売していた。学生のためにこだわった「安くて大きい」コッペパンは今も変わらない。
「続けられるのはお客さんのおかげ」と成沢さん。高校時代を思い出し、大人になってから親子で来店する人も多いという。青春の味は、家族の思い出の味としても愛されているようだ。
【メモ】宇都宮市桜3の3の23。▽営業時間 午前9時~午後6時▽日曜、祝日休み▽(問)028・634・7085。
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