五穀豊穣願う かすみがうら 藤切り祇園

茨城新聞
2019年7月28日

かすみがうら市深谷の八坂神社で27日、藤づるを切ることで困難を乗り切り、五穀豊穣(ほうじょう)や悪疫退散を祈願する藤切り祇園が行われた。

明治20年代から現在の形になったとされるこの祭礼は、通称藤切り坂という切り通しで、今年担当になった集落のみこしの担ぎ手たちが、翌年担当する集落の人たちの回す藤づるをなぎなたで切る。

さらに大魚と呼ばれるケヤキなどでできた障害物をなたで割ってみこしを坂の上まで担ぎ通すという神事で、市無形民俗文化財に指定されている。

みこしの担ぎ手たちは藤づるを切るのに苦戦し、約20分かけて切れた時には詰め掛けた見物客から拍手と歓声が上がった。約15年ぶりに訪れた石岡市小見、主婦、柘植篤子さん(61)は「熟練の人が藤を切る姿が素晴らしかった。地域のお祭りとして今後も続いてほしい」と話した。

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