《上州食三昧》ハード系パン かむほどに味わい 素材厳選 素朴さ魅力

上毛新聞
2019年6月22日

 パンにはさまざまな種類があるが、フランスパンやドイツパンのように外側がパリッと硬いパンは食事にぴったり。香ばしく、かみ応えのあるハード系パンには、パン本来のおいしさがぎゅっと詰まっている。

 ハードパンにこだわりを持つ「グランボワ」(前橋市川原町)は2004年にオープンした。店内にはドイツパンやフランスパンが所狭しと並ぶ。人気は4種類の果物とくるみが入ったドイツパン「フルーツライ」(740円)、もちもちの食感が自慢のフランスパン「リュスティック」(190円)だ。

 今年4月には同市敷島町に2店舗目の「アボワ」がオープンし、ハードパン人気の拡大を狙う。高木宏直店長(47)は「ハードパンは、かしこまらないで毎日食べられる素朴さが魅力。日本でももっと広まれば」と期待する。

 5月にオープン20周年を迎えた「シュヴァイン」(高崎市中居町)。山小屋風の店内には、レーズンから作った自家製天然酵母を使用したもっちり食感のドイツパンが並ぶ。

 おすすめはライ麦100%の「プンパニッケル」(760円)、ミネラルなどが豊富な「グラハムブレッド」(400円)。保存料や添加物を使わず、粗びきのライ麦や国産小麦で作るため「かめばかむほどおいしい」と評判だ。

 店名はドイツで幸運を運ぶ「豚」の意味。富田順司オーナー(51)は「体に良いパンを食べて幸せになってもらえたら」と願う。

 桐生市新里町と伊勢崎市東町に店を持つ「ワンネス」は、オーナーの阿久津龍一さん(38)が自ら育てた小麦粉を使ったハード系のパンが並ぶ。

 02年に伊勢崎で開店。11年に桐生で小麦畑の近くに店を構えた。自分で組み立てた3基の薪石窯で焼いている。ナラやヤマザクラなど、使う薪によって香りも変化する。

 店頭に並ぶのは10種類ほど。看板メニューのライ麦プレーン(900円、ハーフ450円)は、自家製小麦粉にドイツ産のライ麦をブレンドした。最も高温の状態で焼くため「薪石窯の特徴が一番出るパン」という。