家々に春の御利益 板荷のアンバ様 鹿沼で伝統行事

下野新聞
2018年3月4日

 疫病退散や家内安全を願う伝統行事「板荷のアンバ様」が3日、鹿沼市板荷地区内で始まった。春の訪れを告げる伝統行事として親しまれ、みこしや大てんぐ、小てんぐ、獅子などの一行が地区内の家々を回り、悪魔払いを行った。4日も行われ、2日間で計250軒を回る。

 江戸後期から続いているとされる同市の指定無形民俗文化財。アンバ様は地域の安全の神として信じられている。同地区の日枝神社で神事を行い、おはやしの演奏とともに一行は出発。春の暖かな陽気の中、一行と地域住民、見物客が地区内の家々を巡った。

 家の中に大てんぐ、小てんぐが駆け込み、「アンバ大杉大明神、悪魔払って、ヨイのヨイのヨイ」と唱え、払われた悪魔は玄関などの出入り口で獅子が飲み込んだ。

 同所、農業金子(かねこ)キミさん(89)は「長い歴史のある地域の自慢の行事。健康が一番、無事に過ごせるように願った」と笑顔で話した。

(阿部雅士(あべまさし))

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