一橋徳川家「百年の蔵書」 漱石や実篤、412点 茨城・行方で展示

一橋徳川家で受け継がれてきた近代文学作品などの書籍を展示する「一橋徳川家昭和を綴(つづ)る百年の記憶を紐解く蔵書展」が、茨城県行方市宇崎の県鹿行生涯学習センター「レイクエコー」の図書情報コーナーで開かれている。大正から昭和初期にかけて刊行された夏目漱石や武者小路実篤の作品など、古書412点を並べている。
書籍は、一橋徳川家14代目当主の宗親(むねちか)氏と、13代目宗信(むねのぶ)氏(故人)夫人の好子氏が今年5月、県教育財団に寄贈した。大正から昭和初期にかけて収集され、同家で保管されていたという。
主な展示書籍はともに1914(大正3)年に発行された夏目漱石の「坊ちゃん」や「草枕」、23(同12)年発行の武者小路実篤全集の初版、31(昭和6)年の百科事典(平凡社)などで、おおむね100年前に刊行された。会場では、劣化が進む一部の書籍を除き、実際に手に取って閲覧できる。
一橋徳川家は江戸時代に田安、清水の両家とともに将軍家を支えた「御三卿」の一つ。11代将軍家斉や、水戸藩から養子に入り最後となる15代将軍となった慶喜を輩出。明治維新後は華族として歩み、政治や文化、教育など幅広い分野で活動してきた。
県教育財団にはこれまでも同家から歴史的価値の高い文化財が数多く寄贈されており、同県水戸市の県立歴史館には一橋徳川家記念室(現在休室中)が設置されている。今回寄贈された古書も、近代の出版文化を伝える貴重な資料となった。
同センターの担当者は「展示を通して、本の魅力や一橋徳川家に受け継がれてきた文化資産を身近に感じてほしい」と話している。
会期は定めていない。午前9時~午後9時。月曜休館。無料。問い合わせは同センター(電)0299(73)3877。
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