「素粒子」コーヒー好評 高エネ研とコラボ 茨城・つくばの店、科学の街PR

茨城新聞
2026年5月23日

茨城県つくば市大曽根の自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「もっくん珈琲」が物質を構成する最小の単位、素粒子をイメージしたユニークなコーヒーを販売している。つくばで素粒子研究に取り組む高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)とのコラボレーション商品で、「ニュートリノ」など素粒子の名前を冠した5品を用意する。海外から訪れた研究者が土産にするなど好評で、科学の街をコーヒーでアピールする。

同店は高エネ研から車で5分ほどの場所にあり、グレード上位のコーヒー豆を扱う。丁寧に焙煎したドリップ式のブレンドコーヒーも販売し、普段から研究所の職員たちと交流する。

素粒子コーヒーの企画は高エネ研が2023年6月に打診。店のオーナー、川村宜央さん(45)は「大学で物理を専攻していたことがあり、企画を打診された時、親近感が湧いた」と語る。

コーヒー豆の配合とラベルのデザインは同店、ラベルなどに記載する英語、日本語の商品説明は高エネ研で考え、同9月に完成した。

商品名は高エネ研で行われている実験と関係の深い素粒子の名称が付けられ、「電子」「ミューオン」「ボトムクォーク」「ニュートリノ」「ヒッグスボソン」の5品。袋から取り出してカップに置き、湯を注げば手軽に飲める。

川村さんによると、「電子」は誰でも知っている身近な素粒子のため、万人受けするような味に仕上げた。「ミューオン」は透過力が高いことから、透明感のある味わいに。「ボトムクォーク」は質量が重いため、味も重ため。「ニュートリノ」は軽いので、軽やかな味と、素粒子の特徴を味で表現する。「ヒッグスボソン」は世界の研究者が協力して発見された経緯から、世界を一周するようなイメージで考えた。ケニア、インドネシア、ブラジルと三つの産地の豆を使い、豊かな風味を醸し出す。

商品は高エネ研の売店やもっくん珈琲で販売中。値段は5パックセット900円、単品180円。価格には寄付が含まれ、1個販売されるごとに20円が高エネ研に贈られる。

企画に関わった高エネ研広報室の青木優美さん(32)は、25年11月にニュートリノの研究会があった際にニュートリノコーヒーが売れ切れたと振り返り、「味にこだわり、ストーリー性もあるのでお土産にぴったり」とPRする。

川村さんは「店まで買いに来てくれる海外の研究者もいる。これからも、たくさんの人に飲んでもらいたい」と話す。問い合わせは同店(電)029(811)6833。