人間ドラマ描く映画 20日から撮影 栗の産地、笠間舞台

茨城新聞
2017年9月20日

栗の一大産地の笠間市を舞台に人間ドラマを描く映画「棘(とげ)の中にある奇跡~笠間の栗の木下家~」が撮影に入るのを前に、県庁で19日、制作発表が行われた。母親が本県出身という主演の西尾舞生(まう)さん(31)は「体当たりで演じる。母の古里をどうか、映画をきっかけに知っていただきたい」と抱負を語った。

作品は栗農家の高齢女性と、収穫を手伝いに訪れた主人公の「売れない女優」、そこに突然現れた「謎の男」の3人の心の交流を中心に描写。「笑いと感動の農業映画」を目指し、栗の産地・笠間を広くアピールする。

監督はテレビドラマ「ごめん、愛してる」「チーム・バチスタの栄光」で演出を担当するなどした植田尚さん(49)。農業に焦点を当てた本県舞台の作品は、2010年公開の映画「ビバ!カッペ」に続き2作目となる。

栗農家の高齢女性はベテラン女優の倉野章子さん(70)が演じる。本県出身の俳優も出演し、渡辺裕之さん(61)が芸能事務所社長役、渡辺徹さん(56)が笠間稲荷神社“神主”役で盛り上げる。

渡辺裕之さんは「笠間は焼き物で有名だが、栗も日本一。知られていない部分がまだあり、栗を題材にした作品に参加できるのは楽しみで光栄」と話した。

撮影期間は20~27日までで、来春に全国公開。今年12月には笠間市友部駅前の地域交流センターともべで先行上映する。イタリアで笠間市産の栗菓子を味わえる鑑賞会を企画するなど、世界へ発信する予定だ。

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