神獣や乗り物110点 陶立体作家・田崎さん作品展 茨城・笠間

茨城新聞
2025年12月11日

茨城県笠間市在住の陶立体作家、田崎太郎さん(55)のテーマ展「田崎太郎展 神獣と飛行機械のファンタジー」が同市笠間の県陶芸美術館で開かれている。愛くるしい猫やロマンに満ちた乗り物など、緻密な造形で想像をかき立てる陶芸作品約110点が並べられている。同展は来年3月22日まで。

田崎さんの作品世界には「空を飛ぶことを夢見るペンギンたちが文明を発達させていく」という一貫した物語がある。会場ではペンギンたちが、グライダーに乗り飛行実験を繰り返したリリエンタール、人類初の有人動力飛行に成功したライト兄弟などの史実をなぞりながら、飛行機からロケット、さらに空想領域の宇宙戦艦にまで発展させていくのを、陶芸で造形化して見せる。作品の周囲には、田崎さんによる解説文のほか、開発計画を説明するペンギンのオブジェ、飛行の様子を写した写真も飾られている。

田崎さんは1970年、福岡県瀬高町(現みやま市)出身。笠間に拠点を移した98年から最新作までの作品を展示する。茨城県内での個展は2022年の常陽史料館に続き2回目となる。

会場ではこのほか、「猫神」シリーズも展示。古代エジプトや中国青銅器、アイヌといった世界各国に伝わる柄を参考にした独自の紋様を猫の全身に刻み、吉兆や魔よけの意味を込めたという。

田崎さんは「神獣は作品と(鑑賞者の)目が合うように作っている。クスッと笑える要素も入れているので、作品との対話を楽しんでもらえたらうれしい」と話した。