栃木県日光市で１軒しか栽培していない… 幻の伝統野菜を使った「べったら餅」７年ぶり復活

栃木県日光市野門地区に伝わる伝統食「べったら餅」作りが18日、7年ぶりに地区集会所で行われた。

原料はジャガイモの一種で野門地区の伝統野菜の「赤いも」で、現在栽培するのは1軒のみ。地域住民など約20人が集まって久しぶりの食作りを楽しみ、伝統料理に舌鼓を打った。

べったら餅はゆでた赤いもを粘りが出るまできねでついた後、丸めて、地元の「じゅうねんみそ」をかけて味わう。新型コロナウイルス禍以前は年1回、野門地区で振る舞われていた。

かつては野門地区全域で栽培されていた赤いもだが、少子高齢化などのため種芋を継ぐのは小栗キヌさん（80）一家のみ。

中心となり栽培を続けた夫義行さんが3月に亡くなったが、キヌさんは「伝統には夫の思いも込められている。できる限り続けていきたい」と、長女晴美さん（53）のサポートも受け種芋を引き継いだ。

べったら餅作りの復活は晴美さんと、伝統野菜保存に取り組む野原典彦さん（57）＝茂木町＝が企画した。

野原さんは「伝統文化がよみがえった。赤いもが生きる文化財として、次世代につながる仕組みをつくっていきたい」。晴美さんは「楽しい時間だった。父が大切にしてきた赤いもをずっとつなげていきたい」と力を込めた。

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