田山花袋 従軍記者の一面 明治期雑誌や書簡展示 群馬・館林

上毛新聞
2025年10月20日

群馬県館林市出身の文豪、田山花袋(1871~1930年)の従軍記者としての活躍に焦点を当てた企画展「花袋が見た戦争」が11月24日まで、同市の田山花袋記念文学館で開かれている。明治期に発行された雑誌や直筆の書簡、はがきなど資料約60点が並び、日露戦争(04~05年)に突入した時代背景に迫るとともに、自然主義作家として知られる花袋のジャーナリストとしての一面を紹介する。

ラジオやテレビが普及していない時代。新聞と雑誌の情報価値は大きく、戦況報道は特に注目された。視力の低さから、憧れた軍人への道を閉ざされた花袋は記者としての従軍を熱望。念願かなって写真班の記者として日露戦争で戦地に赴き、記事を送った。

年表や地図を示しながら花袋の出港から病気発症で志半ばで戦線を離脱するまでを解説。島崎藤村や柳田国男らが花袋に宛てた書簡を並べ、記者としての活躍を紹介する。戦地の状況を家族に伝えたはがきや記事から花袋の観察眼の高さを垣間見ることができる。

午前9時~午後5時。入館料220円、中学生以下無料。20、27日と11月4、10、17日は休館。問い合わせは同館(☎0276-74-5100)へ。