異なる表現、新たな発見 茨城町出身の作家「二人展」 ワイヤーアートとポスター 水戸、11日まで

茨城新聞
2025年8月7日

茨城県茨城町出身の作家2人による「二人展」が11日まで、同県水戸市河和田町のホームシックスタイルショップ水戸店で開かれている。ワイヤーアーティスト「HAyU(ハユ)」こと小川学さん(49)と、グラフィックアーティストの石川聖太さん(46)が初のコラボ。異なる表現方法の作品対比の面白さが見どころで、2人は「自由な視点で楽しんで」と来場を呼びかけている。

小川さんは美容関係の仕事に従事した後、10年に同町に帰郷。家業の園芸農家を継いだ。ある時、子どものために園芸資材のワイヤを使った動物モチーフの作品づくりに取り組んだことが、作家に転身するきっっかけになった。「ワイヤーアニマルヘッド」という独自の制作スタイルを確立し、施設のディスプレーやCDジャケットへの作品提供などを行っている。

石川さんは当初、都内でデザイナーとして働き、2014年に茨城町にUターン。15年にデザイン事務所を設立した。ポスター制作をはじめ、企業のブランディングや広報のディレクションなどを幅広く手がける。国内外の各種コンペに出品し、22年には世界的なデザインコンペ「グラフィス・ポスター・アニュアル」で金賞を受賞した。

2人の交流は、石川さんが手がける同町の季刊誌で小川さんを取り上げたことから始まった。今回のコラボ展は、小川さんが作品発表の場に「新たな発見」を求め、石川さんに声をかけて実現したという。

同展では、石川さんが国際コンペで入賞したポスターをはじめ、各種テーマに沿った12点を出品。「色使いとインパクトの強さにこだわった」という各作品のほか、制作過程を垣間見られる手描きの原画も展示した。ミニポスターやオリジナルTシャツも販売する。

小川さんはワイヤーアート作品約30点を展示。ライオンや鹿、犬、猫など多彩な動物を中心に、大小の力作を出品。コンセプトは「身近に感じるアート」。金型なしのフリーハンドで仕上げたワイヤの曲線は繊細で「壁に飾って映る影も含めて自在にアレンジできるのが特徴」という。経年変化で色味が変わる銅線を使った新作も展示し、抽選販売も行う。午前10時半~午後6時(土日祝日同7時まで)。入場無料。