東国の仏教布教の中心地 群馬・藤岡市の「牛田廃寺跡」の出土品を紹介 県史跡指定を記念し企画展
上毛新聞
2025年3月13日

群馬県藤岡市で発見された古代寺院跡「牛田廃寺(うしたはいじ)跡」が昨年9月に県史跡に指定されたことを記念した企画展「ムラと歩んだ古代の寺―牛田廃寺の時代」が、藤岡歴史館(同市白石)で開かれている。牛田廃寺跡の出土品など115点を展示し、仏教が民衆に普及する時代と周辺遺跡との関連を紹介している。
牛田廃寺跡1号建物跡の屋根景観の復元や、8世紀の創建時とその後の補修時の瓦などを展示。軒丸瓦に記された蓮華(れんげ)文を山王廃寺跡(群馬県前橋市)の出土品と比較できるように並べたコーナーもある。
浄土院浄法寺(藤岡市)で採集された瓦類も展示し、周辺寺院との関係性を伝える。
牛田廃寺跡は小規模な寺院だが、東国の仏教布教の中心的寺院だった緑野寺(現・浄土院浄法寺)が藤岡市内にあり、仏教の普及を考える重要な地域とみられる。同館担当者は「藤岡に仏教が伝わってきた時代の技術が分かる出土品を実際に見てもらいたい」と来館を呼びかけている。
5月25日まで。入館無料。午前9時~午後5時。関連講演会は4月27日午後1時半、同館で群馬地域文化振興会の松田猛常務理事が「群馬の古代寺院と藤岡」と題して話す。申し込み順で定員50人。
問い合わせは同館(☎0274-23-5997)へ。