旧猿島38寺で観音像開帳 12年に1回の霊場巡り 3月17日から 稚児行列や音楽会も 茨城

茨城県坂東市や境町など旧猿島地域の寺院で12年に1回の霊場巡り「猿島阪東観音開帳」が開かれる。3月17日から4月17日までの1カ月間、番外札所などを含め38カ所で、普段は見ることができない観音像を拝観できる。札所会代表で万蔵院(坂東市生子)の中川祐聖住職は「今年は霊場開創から300年に当たる。多くの方にお参りしていただき、観音さまと縁を結んでいただければ」と話す。
霊場巡りは1725(享保10)年、万蔵院52代住職の雄弁上人によって始まったと伝わる。西国などの霊場に参詣できない人のために下総国に33カ所の霊場を設け、巳(み)年のみに開帳する。札所は現在の坂東市、同県古河市(旧三和町)、境町、千葉県野田市にまたがっている。
開帳に合わせ、各寺院は住職らで組織する札所会をつくり準備してきた。PRのポスター、チラシ、パンフレットを印刷しホームページも立ち上げた。チラシなどの表紙絵は、多くの観音像などを描き晩年を境町で暮らした画家、粛粲寶(しゅくさんぽう)(1902~94年)の弟子で同町在住の中山正男さん(84)が手がけた。参詣の証しとして御朱印を頂く納経帳(2千円)も用意している。
同事務局によると、それぞれの札所で趣向を凝らして参拝者を迎える。吉祥院(境町新吉町)では本尊の不動明王とともに十一面観世音菩薩(ぼさつ)を開帳。正光院(坂東市弓田)は修復を終えた十一面観世音菩薩が初披露される。東漸寺(仲山観世音・古河市仁連)は稚児行列、妙音寺(坂東市神田山)は音楽会などの催しがある。問い合わせは万蔵院の札所会事務局(電)0280(88)0737(平日午前8時半~午後5時)。