土器や石器260点紹介 茨城県教育財団の調査遺跡展 北茨城

茨城新聞
2025年2月18日

茨城県内の遺跡から出土した遺物を公開する県教育財団の調査遺跡紹介展が、同県北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で開かれている。県内4遺跡の旧石器時代から平安時代までの土器や石器のほか、同市の遺跡から出土した七鈴鏡なども併せ、計約260点を展示。県内で初めて出土した「塔鋺形合子(とうまりがたごうす)」の蓋(ふた)も見どころ。24日まで。

同財団は本年度、11市町13遺跡の発掘調査と8市町15遺跡の整理作業を実施。展示では、下河原崎谷中台(しもかわらざきやなかだい)遺跡(つくば市)▽談義所遺跡(坂東市)▽下大賀遺跡(那珂市)▽鎌田遺跡(つくばみらい市)-の整理作業を進めている遺跡の成果を紹介する。多様な石材で作られた石器や、時代による形の移り変わりが分かる土器、刀をつるすために帯を通す金具の帯執足環(おびとりあしかん)といった金属製品など、貴重な品々を間近で見ることができる。

また、地元の神岡上古墳群(北茨城市)から出土した遺物も展示。いずれも県指定文化財で、七鈴鏡や直刀、大甕などが並ぶ。

本年度の調査遺跡についても、中道南遺跡(土浦市)から出土した塔鋺形合子の蓋を公開した。仏具の一つで、主に香を入れる容器として使われていたものの一部。同遺跡の西暦900年前後のものと見られる竪穴(たてあな)建物跡で見つかった。集落遺跡からの出土は全国で2例目。このほか、関本中粟野城跡(北茨城市)をパネルや写真で説明する。

同財団の担当者は「それぞれの時代に面白い遺物がたくさんある。見てもらい想像を膨らませてほしい。子どもたちにも考古学に興味を持ってもらえれば」と話した。午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。入館無料。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。11日午前9時半~11時には展示解説を行う。

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