《釣り》「ゴゴン」とアタリ、慎重に 利根川でシーバス狙う ルアーに生命感込める 茨城

茨城新聞
2024年11月3日

秋の利根川はシーバス(スズキ)釣りの最盛期。秋になると、冬に備えてシーバスが利根川に上ってくる。餌となるのはイナッコ(ボラの幼魚)。秋はイナッコのサイズも大きくなり、シーバスの格好の餌となる。そんな秋のシーバスを求めて茨城県神栖市の利根川河口堰(ぜき)周辺にエントリーした。

今回使用したルアーは、キャスティングオリジナルシーバスブランド「Zeeee!」の「セイラン130F」。シーバスフィッシングの王道とも言えるリップレスルアーだ。イナッコと同じサイズ感のルアーで、水面下20~90センチ潜る。アクションは「ヨタヨタ、フラフラ、ヌルヌル」といった、ウォブンロール主体でサーチベイトに最適なルアーである。

準備も完了し午後9時、いざ釣り開始。ロッドの位置や巻きスピードを変えながら、シーバスからの反応を待つ。しかし、この日は水門の開閉の影響で流れが速く、全体的に上流から下流に向かって流れが発生している。イナッコがつく潮目(流れのヨレ)がなく、時折、魚に触れるもののなかなか厳しい状況が続いた。

試行錯誤を繰り返しつつ、状況変化を待っていた。ついに上げ潮の時間帯に突入。今までの全体的に流れている状況から流れの変化が出始め、沖に潮目が出現した。

潮目の少し奥に遠投し、セイランを流れに乗せながらゆっくり巻いていると「ゴゴン」とアタリが。しっかりフッキングを行い、ファイトスタート。ロッドを立てて糸を張り、消耗するのを待つ。

沖ではシーバスが苦し紛れの激しいエラ洗い。針外れの危険性が高まる瞬間だ。「これはいいサイズかも」と興奮しつつも、ロッドの弾力を生かして慎重にファイト。手前まで寄せて、このままいけるか-と思った瞬間、シーバス最後の反撃。しかし冷静に対応し、なんとかキャッチ成功だ。

釣れたシーバスはランカーサイズ(80センチ)には及ばないものの体高のあるかっこいいシーバスだった。

好きなルアーを使い、イメージ通りにルアーを操り、シーバスが釣れた最高の瞬間だ。これだから釣りはやめられない。この日は午前0時過ぎまでにもう1匹釣り上げられた。

ルアー釣りの面白みは、疑似餌であるルアーにどれだけ生命感を込められるか。本物の魚のように操作、演出できるかだ。釣り人の腕で釣果に差が出るのも面白い。

満足の吐息とともに夜空を見上げれば、きれいな星々が輝いていた。釣りばかりではなく、自然を楽しむ心も忘れないようにしたい。利根川シーバスの最盛期は12月ごろまで。大型シーバスが数多く生息している利根川にぜひ行ってみてほしい。(キャスティング鹿島神栖店・鈴木淳平)