国宝や重文 名品99件 茨城県立歴史館50年 特別展

茨城新聞
2024年10月17日

開館から50年の節目を迎えた茨城県立歴史館(同県水戸市緑町)で、同館の重要所蔵品や過去に公開した茨城県ゆかりの名品を集めた特別展が開かれている。展示品は「考古」「美術工芸」「民俗」などの分野から国宝・重文を含む99件で構成。同県行方市(旧玉造町)の古墳から出土した冠や一橋家伝来の馬具など、半世紀を彩った史料が並ぶ。

同館は、元知事の岩上二郎氏(1913~89年)が主導する形で、収集史料の保存と活用を狙いに1974年に設立。当初から文書館と博物館の二つの機能を備え、全国的に注目を集めた。

現在は茨城県に関する史料が集積する総合施設として、古文書や行政資料から、歴史、美術工芸、考古などの史料を含めた56万点以上を収蔵。公開や展示を通じて歴史と文化財の魅力を発信し、これまでに約390万人が入館している。

特別展は「開館50周年記念特別展 名品ゾクゾク-歴史館の半世紀-」と題し、「考古」「歴史」「美術工芸」「民俗」「一橋家関連」の5分野を柱に、国宝・重文を含む名品99件を紹介する。

「歴史」は古代に作られた日本最大の刀「直刀」(国宝、鹿島神宮蔵)、「考古」は同県行方市の三昧塚(さんまいづか)古墳から出土した「金銅製馬形飾付冠(こんどうせいうまがたかざりつきかんむり)」(国重文)、「民俗」は水戸藩の蝦夷地探検で収集されたアイヌ衣装、「一橋家関連」では蒔絵(まきえ)を施した馬具「黒漆雷文地沢瀉(くろうるしらいもんじおもだか)に葵紋蒔絵鞍(あおいもんまきえくら)」(国重文)などが見どころとなる。

特別展は11月24日まで。