昨年閉店「ちぃじがき」そば店 協力隊夫妻きょう再開(群馬・甘楽町)

上毛新聞
2024年10月9日

昨年末に閉店した群馬県甘楽町秋畑のそば店「那須庵」が5日、営業を再開する。地域おこし協力隊の山本貴秋さん(43)、のぞみさん(43)夫妻が新たに店を切り盛りし、自慢のそばと全面改装した店舗で客を迎える。貴秋さんは「地域のそば文化を継承し、気軽に立ち寄れる店にしたい」と意気込んでいる。 

周辺は「ちぃじがき」と呼ばれる石垣で組んだ段々畑で、古くからソバが生産されてきた。店はそば作りを体験できる「ちぃじがき蕎麦(そば)の里」の一施設として1997年に開店したが、運営する住民の高齢化などにより2023年12月に閉店。その後、町が後継者を募ったところ、神奈川県から移住した山本さん夫妻が手を挙げた。

そば店に勤務経験がある貴秋さんが提供するのは、そば殻の風味を生かした田舎そば。風味と食感の均衡が取れた9割そばで、だしやかえしにもこだわった。そばの実は栃木県産を中心に、秋畑那須地区で収穫が始まる12月以降は地元産も取り入れる。

値段はいずれも1合でもりそば600円、大根そば650円など。天ぷら盛り合わせ(500円)には、時季に応じて町内産の旬の野菜を使う。

営業再開に当たり、店内の床板を張り替え、座敷からテーブル席に一新した。

貴秋さんは「店を運営していたおばあちゃんたちの志を引き継ぎ、地のものを取り入れて地域の良さをPRできれば」と話す。

午前11時~午後4時。水、木曜定休。