今秋の県北芸術祭PRへ 「竜神」の巨大記念碑 常陸太田
常陸太田市に巨大なモニュメントが登場した。「竜神」をテーマに筑波大芸術学系の国安孝昌教授が制作。観光・文化振興とともに、県北地域で今秋開催予定の「県北芸術祭」でのPRにつなげたい考えだ。今月中にも完成予定で、同市の“新たなシンボル”として期待が高まる。
■壮大かつ緻密
モニュメントは市が国安教授に依頼し、同市中城町の市民交流センター敷地内に制作。国安教授が昨年7月から通い詰め、1人で作品作りに取り組んでいる。
作品タイトルは「常陸のおお田守る竜神」。約2千本の丸太と約4万個のレンガを巧みに組み上げた高さ10メートルを超える大作だ。壮大かつ緻密な作風は、未完成ながら圧倒的な存在感を誇る。
巨大な姿がお目見えし、約半年にわたる作業もいよいよ大詰めを迎えている。
■地域の守り神
完成を間近に控えたお披露目式で、国安教授は作品について解説。同市にはバンジージャンプで注目の「竜神大吊橋」や、水戸徳川家墓所として知られる「瑞龍山」などがあることから「市民になじみが深い『竜』をモチーフにした」という。
さらに、国安教授は「作品は神様が降りてくる依り代」と説明した上で「農業が盛んな常陸太田市で、地域の農業を守る『水の神様=竜神』が降りてくる場所、いわば“地域の守り神”になればうれしい」と話した。
■新たな観光資源
モニュメント設置について、市観光振興課は「現代芸術家の国安教授のアート作品を通して常陸太田の観光や文化価値を高め、知名度アップを図りたい」と狙いを話す。
また、県北6市町を舞台に今秋開催予定の県北芸術祭に向け、機運醸成を図ることも目的の一つで「市のPRや誘客につなげたい」(同課)という。
設置期間は10年間の予定。同課は「新たな観光資源として魅力をもたらし、地域活性化につながれば」と期待を込める。
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