絵画で旅する国立公園 絵画で旅する国立公園 所蔵作品展 18カ所40点余 「画家ごと個性、堪能を」 日光、尾瀬、富士箱根伊豆…

下野新聞
2022年5月18日

【日光】山内の小杉放菴(こすぎほうあん)記念日光美術館で、近現代の風景画を紹介する所蔵作品展「風景を見る眼-国立公園絵画展」が開催されている。全国各地の国立公園の風景が描かれた「国立公園絵画」の作品を中心とし、画家ごとに異なる風景へのまなざしや独自の筆致などが楽しめる。15日にはギャラリートークが行われ、清水友美(しみずともみ)学芸員は「画家ごとの風景の見方の違いなどを感じながら、いろんな風景画から旅行気分を味わってほしい」と話した。7月3日まで。

国立公園絵画は、国立公園制度の普及の一環として昭和初期、当時の洋画家の巨匠たちが手がけた風景画を指す。会場には、同館に寄贈された国立公園絵画コレクションから選んだ約40点と、小杉や市出身の洋画家入江観(いりえかん)さんらの作品などが並ぶ。

国立公園のうち、日光をはじめ尾瀬や山陰海岸、富士箱根伊豆、大雪山など18カ所の風景が描かれた作品を楽しめる。日光国立公園の作品は、田辺三重松(たなべみえまつ)の「中禅寺湖」などがある。猪熊弦一郎(いのくまげんいちろう)の「塩原の渓流」は、河原の石を前景に配して奥に堤防が描かれており、清水学芸員は「多くの画家が自然を主に描くが、この作品は人工的な物も描いており、画家の視点や個性が光っている」と説明する。

富士山を題材にした作品では、和田英作(わだえいさく)、正宗得三郎(まさむねとくさぶろう)、川島理一郎(かわしまりいちろう)の3人がそれぞれ描いた作品が並ぶ。「三富士三様で、それぞれの富士山から描き方の違いを味わえる」(清水学芸員)。

このほか作品の見どころについて、パネルでの紹介も行っている。

午前9時半~午後5時(入館は4時半)。月曜休館。入館料は一般730円、大学生510円、高校生以下無料。6月18日午前11時にも、学芸員によるギャラリートークが行われる。

(問)同館0288・50・1200。