御利益求め“奪い合い” 笠間「悪態まつり」
茨城新聞
2015年12月21日
笠間市の愛宕山に伝わる十三天狗(てんぐ)に罵声を浴びせ、供え物を奪い合う「悪態まつり」が20日、山頂の愛宕神社と周辺で開かれ、県内外から御利益を求め、約1200人が参拝し伝統の奇祭を楽しんだ。
江戸時代中期から続き無病息災や家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭りで、領主が領民の意見を聞こうと、不満を言っても罪にならない行事として始めたとされる。
白装束に烏帽子(えぼし)姿の天狗役の氏子たちが供え物をするため、山麓から山頂にかけて16カ所の祠(ほこら)を巡行。参拝客は各祠で待ち構え、各天狗役に「ばかやろう」「早く歩け」などと言い放ち、陶皿、餅、5円玉などの供え物が置かれた直後、力ずくで取り合った。
都内から初めて訪れた大学生、菅谷侃紀(かんき)さん(20)は「予想以上の熱気と、日常にはない奪い合いが面白かった。餅を取れたので来年は幸せになれる」と笑顔で話した。
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