「三和のバラ」購入促進 古河市、苦境の花き農家支援

茨城新聞
2020年5月16日

 新型コロナウイルスの感染拡大で、古河市が価格下落の苦境にあえぐ市内の花き農家支援に乗り出した。第一弾として、三和地区で生産されるバラをまとめて購入し、11日から市役所や公共施設5カ所に展示。また市職員を対象に、花束の予約販売を実施する。
 
 県の銘柄産地指定を受ける三和地区のバラは、4組7人が約40品種を生産。昨年は約74万7千本を出荷した。今年は感染拡大により、卒業式やブライダルなどへの需要が著しく減少。3~4月の出荷量は約3割減、市場価格は約6割減と落ち込み、生産者に深刻な影響を与えている。
 
 産地を守るため、同市は「コロナに負けるな!プロジェクト」の一環としてバラの購入促進を支援。市の協力団体が生産者から購入した12品種計約300本を、各施設に飾り付けた。展示は22日まで行う。
 
 また1束8本のバラの花束を、市職員の希望者に向けて予約販売する方針。市は今後も花の種類を変え、生産者支援を継続していく方針だ。
 
 バラ生産者の同市諸川、黒子忠則さん(43)は「価格維持のため、出荷量の調整や良い規格を優先出荷している」と現状を話し、市の支援に「ありがたい」と感謝。展示された花束を見ながら「我慢が続く市民の癒やしになれば」と話した。

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