A5ランク牛肉 余りで「おやき」 大田原の志ぶ家 食品ロス削減、来月発売

下野新聞
2019年8月20日

 日本料理店の志(し)ぶ家(や)(大田原市中央1丁目、渋江成人(しぶえなるひと)社長)は、店で提供するA5ランク牛肉の余りを活用した「与一和牛おやき」を開発した。調理の過程で発生する「食品ロス」削減につなげる。増産に向け人員や機材を確保し、9月から本格的に販売を始める。

 志ぶ家は1921(大正10)年創業の老舗。地域の名物料理にしようと、地元・大田原市のブランド牛「与一和牛」を低価格で味わえる商品を1年半かけて開発した。

 おやきの具材には、すき焼きやステーキに調理する際に余ってしまう与一和牛の切れ端を使う。豚肉と合いびきにし、地元産のニラやネギなどを加えて小麦粉を練った皮で包む。1個約70グラム。価格は300円。

 冷凍でも販売する計画で、初年度は売り上げ200万円を目標にする。スタート時は店内や地元の道の駅などで販売し、徐々に販路を開拓していく考えだ。6月に県の経営革新計画に承認された。

 開発したおかみの渋江律子(しぶえりつこ)さんは「良質で低価格なおやきを生産することで、地域や消費者に利益を還元したい」と話している。