《食いこ》酒菜工房 HeiSon(茨城・石岡市)

■大人の空間 創作野菜料理
常陸国府が置かれ、水戸街道の宿場町として栄えた歴史の街・茨城県石岡市。その中心部に昨年9月、新たな「大人の隠れ家」が産声を上げた。「酒菜工房 HeiSon(ヘイソン)」。店名は、近世の府中藩で同地が「平村」と称されていた背景に由来する。
「大人がゆっくりとくつろげる場所をつくりたい」と話すのは、店長の高橋大直さん(37)=同県の旧八郷町出身。店の強みは、自社で青果市場を経営している点にある。市場直送のメリットを生かし、鮮度抜群の野菜を用いた創作料理を提供している。

地酒を豊富に取りそろえている
皿の上を彩るのは石岡産のダイコンやズッキーニをはじめ、小美玉産のレンコン、美浦産のマッシュルーム、水戸産のパプリカなど、まさに県内産野菜のオールスターだ。高橋さんは「茨城の野菜はどれも他県に引けを取らない一級品。市場を営んでいるからこそ、その時々で最高の状態のものを仕入れることができます」と胸を張る。
串焼きを主体に蒸し物や肉料理などがそろう中、名物は見た目も鮮やかな「レタス太巻き」(650円)だ。主役のレタスは驚くほどみずみずしく、それを巻き上げるのは石岡の銘柄豚「弓豚」。きめ細かな肉質と甘みのある脂身が、シャキシャキとしたレタスの食感と絶妙に調和する。口の中に広がる肉のうまみと、あぶり立ての香ばしさが食欲をそそる。

じっくり焼き上げる名物のレタス太巻き
料理のパートナーには石岡の地酒が欠かせない。元禄期からの伝統蔵である府中誉の「渡舟」「太平海」や、藤田酒造店の「富士泉」、冷水酒造のユズと梅のリキュール「Rebloom」などを取りそろえている。
木のぬくもりを感じる店内には重厚なL字形カウンターや朱色が映える円卓、完全個室、開放感のあるテラス席(喫煙可)など多様な空間が用意されている。近隣のホテルの宿泊客やゴルフ帰りのインバウンド客も多く、茨城の旬を求めて訪れるリピーターが絶えない。
開店から1年。高橋さんは「お客さまからかわいがってもらえるよう努めていきたい」と意欲的だ。かつての宿場町が旅人を癒やしたように、現代の「平村」もまた、極上の食と空間で人々の心を解きほぐしている。
■お出かけ情報
▽茨城県石岡市石岡3202
▽営業時間は午後5時~午前0時
▽休業日は火曜
▽(電)080(3157)8655

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