異彩放つ現代ガラス 作家8人、多様な技法 北茨城で企画展

茨城新聞
2026年2月14日

個性的な現代ガラス作品を集めた企画展が、茨城県北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で開かれている。国内外の8作家が多様な技法を用いて制作した色とりどりの18点を展示。タコの吸盤やアンコウ、重箱など異彩を放つ作品が楽しめる。同展は3月8日まで。

展示は同市華川町小豆畑のガラス工房「シリカ」が所蔵する作品を展示し、同工房に興味を持ってもらおうと企画。同工房は1994年に建てられ、作品の収蔵・展示とともに創作体験も提供している。

会場に並ぶシリカ所属の作家、野田紘さん(27)の作品は4点。野田さんがその生命力にほれ込んだタコの吸盤を赤いガラスで表現。吸盤型の金型にガラスを流し込み、スケッチを基につなぎ合わせた。また、圧搾空気で砂をガラスに吹き付けて表面を彫ったり、つや消し状態にしたりする「サンドブラスト」と呼ばれる技法を用い、くもり状にした吸盤作品もある。

北茨城市ゆかりの作品も展示。グラフィックデザイナーの藤代範雄さんが市制施行70年記念に同工房で制作した「六角堂と海と松林」や別の作家が市の魚「アンコウ」をモチーフにした愛らしい作品も会場を彩る。

加えて、日本を代表するガラス作家、藤田喬平さんの代表作シリーズ「飾筥(かざりばこ)」も展示。黒の色ガラスに金銀箔(はく)、赤と白のガラス粒を付けた「紅白梅」と題した名品で、琳派(りんぱ)をほうふつとさせる豪華絢爛(けんらん)さが目を引く。

このほか、金太郎あめのように模様の入った棒状のガラスを細かく切るイタリアの伝統技法「ムリーニ」を用いた繊細な作品や、ガラスがへこんでいるように目が錯覚する「でっぱり」と題した独特の力作なども見どころだ。

同工房の西郷匡史(ただし)施設長(56)は「ガラスはコップなど製品として使われてきたが、(近年は)自己表現する素材になった。ガラスの可能性や幅の広さを感じてもらえる」とPRした上で「シリカにも立ち寄ってほしい」と話した。

期間中は入場無料。3月7日午後1時半から、野田さんによる展示説明を行う。開館は午前9時~午後4時半(入館同4時まで)。原則、月曜休館。