観光客に人気の老舗そば店「天丸」（群馬・みなかみ町）、マッチングで後継者にバトンタッチ

後継者不足に悩む、地域で親しまれた老舗そば店を引き継ごうと、群馬県みなかみ町政所の福原広樹さん（44）が24日、みなかみ町月夜野のそば店「天丸」と事業譲渡契約を締結した。日本政策金融公庫の「事業承継マッチング支援」を活用した事業承継で、福原さんが来年1月から経営を引き継ぎ、営業する。

そば店「天丸」は店主の石坂静夫さん（67）が 1989年に創業。石臼でひいた香り高いそばが人気で、地域住民や観光客に親しまれてきたが、親族や社内に後継者がいなかった。店を託せる人を探そうと、石坂さんがみなかみ町商工会に相談、2024年9月に日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援に登録した。

2024年9月に開かれたオンライン形式のマッチングイベントに石坂さんが登壇。話を聞いていた福原さんは幼少期からそば店「天丸」に通っており、「この味をなくすのはもったいない」と継承に名乗りを上げた。25年7月から石坂さんの下で修業を積み、譲渡契約にこぎ着けた。

店名やメニューは変えずに、営業を続ける。みなかみ町商工会で24日に開かれた締結式で、石坂さんは「味を守り、長く愛されるお店をつくってほしい」とエールを送った。福原さんは「皆さんに笑顔になってもらえるように頑張りたい」と意気込んだ。

午前11時～午後3時。水、木曜定休。1月からは午後8時まで営業し、木曜のみ定休。問い合わせは、そば店「天丸」（☎0278-62-3477）へ。