初のアユ友釣り満喫 大子・久慈川で体験合宿 マンツーマン指導、好釣果 茨城

茨城新聞
2025年7月12日

アユ釣りシーズンが盛りを迎えた6月21、22の両日、茨城県大子町で「久慈川アユ釣り体験合宿」(町営研修センター主催)が開かれた。体験をきっかけにアユ釣りの楽しさを広めるとともに、大子の自然に親しんでもらうのが狙い。県内外から10人が参加した。

合宿初日の午後、参加者らは宿泊する町営研修センターに集合。初めに町職員でアユ釣りチーフインストラクターの中野一徳さん(57)が「アユは春に海から川へ遡上(そじょう)し、夏に成長して秋に産卵、冬に下流域でふ化した稚魚が河口周辺で過ごす。久慈川はダムがなく、大きな生態系のサイクルが確立している」とアユの一生と川の特徴を解説した。

減水気味で条件は厳しかったが釣果に満足=大子町大子

縄張りを持つアユの習性を利用する友釣りは、おとりを追い立てるアユを針にかける独特の釣り方。参加者らは動画視聴を交えた説明で、釣り具や装備、道具類について理解を深め、おおよその流れを把握。その後はバーベキューで交流し、初日の日程を終えた。

参加者一行は翌朝、同町大子の久慈川へ移動。身支度を調えて町登録のアユ釣りインストラクターとともに久慈川と押川の合流点付近から川に入った。

流れの中でおとりを泳がせて誘うには、さおの操作にもこつと慣れが必要。アユの習性や好む環境、川の流れを「読む」ことも求められる。アユ釣りが敷居が高いと言われるゆえんだ。

参加者らは流れに入って、おとりアユの扱い、さおの操作などマンツーマンで指導を受けながら自らさおを振るった。

この日唯一の女性参加者、清水景子さん(29)=同県常陸太田市=は、友釣りの面白さを語る友人の影響で参加。「釣りは子どもの時以来だったが1投目で小さいアユが釣れた。川の中から見える景色も新鮮」と話し、豊かな自然を満喫した様子。

アユ釣りはほぼ初めてという鈴木大さん(51)=同県つくば市=は午前中に「4匹釣れてうれしい」と満足そうな笑顔を見せた。

インストラクターとして参加した久慈川漁協の石井修組合長は「友釣りは初心者には難易度が高いが、最近は疑似餌で釣るルアーアユも徐々に増え、間口が広がってきたように思う」と最近の動向を話した。

参加者は昼食を挟んで午後も川へ。この日の竿頭(さおがしら)は小野大輔さん(同県ひたちなか市)の18匹。以下、千葉一さん(埼玉県春日部市)、御任泰弘さん(茨城県つくば市)の11匹。御任勇成さん(同)、鈴木大さん(同)の10匹だった。