経済波及効果は推計8億6000万円 栃木県足利市の「山姥切国広展」コラボグッズも人気

2月8日~3月23日に足利市立美術館(栃木県足利市)で開催された特別展「山姥切国広展」に関して市は、関連事業を含めた経済波及効果が過去最高の約8億6000万円に上ったと発表した。
山姥切を作刀する際に手本とした名刀「本作長義」との同時展示を実現させたことに加え、官民連携による魅力あるコラボグッズの販売などを要因として挙げた。
関連展示も含めた計4施設の会期44日間の総入場者数は延べ9万3609人で、メインの市美術館は4万4030人だった。
近世に制作された刀などを展示した史跡足利学校は、3万9632人が参観した。市民が所蔵する刀剣を展示した足利商工会議所は7632人、関連展示を行った草雲美術館は2315人が訪れた。
市は市美術館の来館者3066人を対象にアンケートを実施し、入館料やグッズ購入などで使った金額を聞いた結果、1人平均で1万9530円に上った。来館者数を掛け合わせて、経済波及効果を推計した。
市での山姥切の展示は2017、22年に続いて3回目。経済波及効果は22年が4億8000万円で、17年は4億2000万円だった。
アンケートによると、来館者の95.7%が女性で、30代が最多の34%、20代25%、40代24%の順だった。居住地は北海道から沖縄まで幅広く、海外も中国、台湾、タイ、ドイツなど多岐にわたった。
来館者からは「山姥切と長義の2振りと同じ空間にいられることが素晴らしい」「展示のライティングが良く、刃文がよく見ることができた」といった反響があった。中には17回も足を運んだファンもいた。
早川尚秀市長は「期間中は街中もにぎわっており、山姥切の魅力を実感できた。今後も展示する機会を設けて全国に発信し、交流人口や定住人口増にもつなげたい」と振り返った。
【画像】太平記館で販売されたグッズを購入するため、列を作るファンたち(足利市提供)
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