鹿嶋にスポーツバー 起業家支援、交代で店長 25年1月正式オープン 茨城
茨城県鹿行地域の地域活性化に取り組むKX(本社・同県鹿嶋市、小泉文明社長)が、同市宮中の鹿島神宮近くに飲食店「Asobiya」をオープンさせた。店はサッカー・J1鹿島アントラーズを応援するスポーツバーとしての機能を持ちつつ、店長が営業日ごとに交代し、店長と来店客や、来店客同士の会話を促す交流機能も併せ持つ。同社の黒木康成さん(35)は「地域でチャレンジする人や、それを支援したい人が交わる拠点にし、新たな動きを生み出したい」と意欲的だ。年内はプレオープン期間の位置づけで、来年1月に正式オープンする予定だ。
同社はこれまで「地域をもっと盛り上げたい」との思いを持って活動する経営者などを招き、飲食しながら語らうトークイベントを各地で開催してきた。今後も引き続き実施するには拠点が必要と判断。玩具店「オモチャのたからや」に併設する日本人形などを展示販売していた店舗を借り受け、約1年前に準備を開始。今年8月下旬から改装工事を進めてきた。改装には空き店舗の利用促進を図り、中心市街地の活性化を狙いとする市の「チャレンジショップ支援事業」の補助を受けた。
運営の特徴は店長が営業日ごとに代わることだ。アントラーズの試合日には応援に力を入れる一方で、これ以外の日は新たな事業に取り組む人たちがカウンター内に立ち、来店者との会話から事業展開のヒントなどを得たりする。黒木さんは「KXは地域のプレーヤーを探し出し、集客に力を入れる」と説明する。
面積約32平方メートルの店舗内は大きな円形のテーブルカウンターが目立つ。天井との間に板をつるし、来店客同士の会話や視線がクロスし合う工夫を施した。席数は13席で、色は「アントラーズレッド」に統一した。店舗名は「大人になってからも遊び心を持って集い、地域を楽しみ尽くしていきたい」との思いが込められた。
営業日と時間は原則月、火、金、土曜日の午後5~10時。年内はプレオープン期間で客を招待制とし、来年1月に正式に正式オープンする予定。営業日と時間は「店長」の意向に沿って、変更していくことも視野に入れる。黒木さんは「Asobiyaから、どれだけ新しいチャレンジを生み出せるかがミッションだ」と強調する。