梅田茶の魅力知って ようかんとティーバッグ発売 群馬・桐生市の生産組合などが開発

上毛新聞
2024年10月5日

群馬県桐生市梅田町で古くから栽培される梅田茶の魅力を広めようと、梅田茶生産組合などは9月28日、茶葉を練り込んだようかん、ティーバッグの2種の新商品発表会を同所の梅田ふるさとセンターで開いた。日本茶の消費減や高齢化に伴って、本格的に栽培する農家は 10軒程度となっており、関係者は「存続のため、新商品で梅田茶を多くの人に知ってもらいたい」とPRした。同センターや市内の道の駅などで販売する。

梅田茶は昭和の最盛期には約120軒が栽培に携わった。香り高くさっぱりとした味わいが特徴で、養蚕業が低迷すると桑畑を茶畑に転換して増産した。

その後は減少の一途をたどる茶畑の維持に向け、同組合はここ数年は販売支援に力を入れ、市内事業者と協力して商品開発を進めた。

「桐生梅田茶ようかん」(50グラム1個140円)は、贈答品販売の「ギフト桐岩」(同市東久方町)が企画。岩野和正社長が5月に茶摘み体験で梅田茶の味わいに感動し、「市外の人に知ってもらいたい」と考案した。同組合と梅田茶の販売を手がける合同会社バリュー・フォレスト(梅田町)が協力した。

「桐生梅田茶ティーバッグ」(3グラム5包入り500円)は急須で茶を飲む習慣が失われつつある中で、若い世代に手軽に味わってもらおうと組合が開発を提案した。石島万三組合長は「このままでは梅田茶は失われてしまう。何とか残したい」と訴えた。

桐生市の要請で、桑畑を茶畑に転換した経緯と群馬県の日本遺産「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」を関連付け、両商品の外装に日本遺産のロゴマークを印刷した。市は今後、日本遺産関連のイベントで商品を紹介していくという。 両商品は梅田ふるさとセンター、道の駅くろほねやまびこ、桐生地域地場産業振興センターなどで購入できる。ようかんは市内うどん店でも取り扱う。